Medical Hi-lite
精神障害と薬物
T
pp.58-59
発行日 1966年8月10日
Published Date 1966/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203719
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近代社会の特長は,人間疎外の現象に端的にあらわれているという。それに加えて,精神障害の増加は,アスピリン・エイジとうたわれた近代文明の社会的特質をあらわす一指標ともなって来た。それに対する医療は,分裂病に対する発熱療法やインシュリン・ショックなどを中心として,正直の処全く進歩がなかったといってよい。
しかしたまたまフランスの精神科医の試みた,クロルプロマジンの鎮静効果に端を発し(1952)レセルピンの効果(1954)が発表されて以降精神科治療の内容は大幅に変っていった。現在までに一応精神障害治療のために試みられ,一応の効果をみとめた薬剤は約50種におよぶ。現在,これらの薬剤は臨床的に約4群に分類される。すなわち,
メージャー・トランキライザー(神経遮断剤)抗うつ剤
マイナー・トランキライザー(いわゆるトランキライザー)
中枢刺激剤
がそれである。
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