今月の臨床 妊産婦の薬物療法―あなたの処方は間違っていませんか
褥婦における薬物療法の基礎知識
伊藤 進
1
,
小谷野 耕祐
1
1香川大学医学部小児科学教室
pp.1161-1165
発行日 2008年9月10日
Published Date 2008/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101851
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
分娩時に,出生した児に異常な症状が出現したとき,母体摂取の嗜好品や投与された薬物がその症状に影響していることに気づくことは少ない.しかし,周産期の母体には,多くの嗜好品や薬物が投与されていることが報告されている.一方,母乳育児を続けている母親は,薬物摂取による児への影響を過度に心配する傾向あり,その指導体制の重要性が指摘されている.これら新生児期を中心とした薬物の母子相互作用を理解することは重要であり,胎盤を移行した嗜好品や薬物の新生児への影響としてneonatal depressionと新生児薬物離脱症候群があり,薬物の乳汁移行の問題がある.ここでは,胎盤を移行した薬物の催奇形性や児の行動に関する長期の影響に関しては記載しない.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.