あんてな
重度障害者とOA(オフィスオートメーション)
勝又 和夫
1
1社会福祉法人東京コロニー・トーコロ情報処理センター
pp.852
発行日 1983年12月15日
Published Date 1983/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103000
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最近のコンピュターの普及には目を見張らされるものがあり,かつてのコンピュータを操作するのは,一部の特殊な技術を持った人々の職種であるという認識から,今では極く身近かな存在として事務室で,製造現場で多くの人々がキーボードを操作したり,自宅でパソコンを操るという姿が出現してきている.
これは,急激な技術革新による機械性能の向上と価格の低廉化によるものであるが,これらによる身障者の就労に於る功罪では,新たな功績と可能性を生み出しつつあるといえる.具体的には従来四肢機能障害のために就労の機会に恵まれなかった身障者(脳性麻痺,頸損など)が,組立ラインの検査工程で先端技術を組込んだ機器により,その作業を健常者と変らぬ速度と精度でこなし始めていることや,オフィスコンピュータなどの操作技術を修得して,中小企業のオフィスに進出しつつあることなど,重度障害者にとってのOAは,対応の仕方によっては相当な効果をもたらすものであるということができる注1).
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