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特集 老年精神医学
老年精神障害に対する薬物療法
Pharmacothcrapy for the Aged
小椋 力
1
Chikara Ogura
1
1琉球大学医学部精神神経科学講座
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, University of the Ryukyus
pp.63-71
発行日 1987年1月15日
Published Date 1987/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204273
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I.はじめに
老年人口の増加に伴い,老年精神障害者は増え,それらに対する薬物療法の重要性はますます高まってきている。
老年精神障害の中には,老年痴呆などのように老年期に特有な疾患が存在するほか,各年代を通して共通してみられる疾患の場合でも,老年期のそれは他の年代のそれと比較して病像,経過,治療に対する反応性などに差がある。そのほか,加齢とともに身体の各種機能に変化が生じ,その結果,老年者の場合,非老年者の場合に比較して薬物動態が異なり,薬物の有害反応が生じやすくなる。また,老年者の場合,精神障害のほかに身体疾患を合併することも多いため他剤が併用されやすく,薬物相互作用が現われやすい。そのほか,薬物療法の効果に与える薬物以外の要因も,老年者の場合,特に重要となる。
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