Japanese
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特集 肢体不自由児教育―全員就学をめぐって
東京都における全員就学の現実―重度・重複障害児の指導を通して考える
The Situation of the Tokyo Metropolitan Compulsory Education System of All Handicapped Children.
加藤 寛二
1
Kanji Kato
1
1都立府中養護学校
1Fuchu School for the Physically Handicapped.
キーワード:
肢体不自由児
,
全員就学
Keyword:
肢体不自由児
,
全員就学
pp.257-262
発行日 1978年4月10日
Published Date 1978/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103963
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はじめに
昨年秋のリハビリテーション交流セミナー'77でレポートしたのが縁で本稿を書くはめになった.多少重複する点はお許しいただきたい.
全員就学の問題点について最近多くの方々がそれぞれの立場から述べておられる.ちなみに,池田親氏(現都立水元養護学校長)は,より本質的なものに沿って整理してみると3つにまとめられるとして,(1)障害児の完全就学はどのようにすれば実現できるのかという就学権保障の問題,(2)重度・重症の障害児の教育をどう考えどう進めていったらよいかという教育の目標や内容,方法の問題,(3)障害児の教育をどうしたら一般の教育とつなげ理解されるかという分離と統合の問題,を挙げている1).東京都教育委員会は“心身障害児全員就学――その経過と課題”をまとめて報告している.問題点の的確な指摘はそれにゆずり,私は私自身の歩みを通して,希望者全員就学実現の過程における子どもや親のかかわりの中から学んだり考えたりしてきたことの一端を述べてみたいと思う.
全員就学の問題は究極的には重度・重複障害児の就学,指導,進路をどのように開いていくかにかかっている.別ないい方をすれば,この子らをとりまく関係機関の人々が,個々ばらばらの対処でなく,どのようにチームワークをとり,この子らの人生とどのようにかかわりあいをもっていくのかということにあるといえよう.
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