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講座
障害児と母子関係 5.視覚障害児における母子関係
Disabled Children and Mother-Child Relationship. 5. Interpersonal Relationship between Mothers and Visually Impaired Children
香川 すみ子
1
Sumiko KAGAWA
1
1東京都心身障害者センター
1Tokyo Metropolitan Rehabilitation Center.
pp.775-780
発行日 1982年11月15日
Published Date 1982/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102739
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はじめに
筆者の知る限り,視覚障害児の母子関係に関する文献は大変少ない.特に学童以降の視覚障害児については,ほとんど目にすることができなかった.そのため本報告は乳幼児期の問題を,母子関係の始まりとも言える愛着行動を中心に,次の3つの観点で整理する.
1.視覚障害乳幼児と愛着行動
子どもの愛着行動は母と子の交互作用の中で形成されるものである.したがって次の順序で母と子の両側面からの検討を行う.まず(1)視覚障害は愛着行動の形成の阻害要因となるのかについて,微笑反応と人見知り反応を指標として視覚障害乳幼児における愛着行動を研究報告しているFraibergの論文を,参照し考察する.次に(2)子どもの障害は,その母親の心理にも大きな影響を与えずにはおかない.母親の立直りに必要と考えられる援助について整理する.
2.母親の態度
従来参照されることの多かった文献の紹介をし,私見を述べる.
3.重複障害児と母子関係
臨床経験上,母子関係に問題が生じやすく,より細かい援助や配慮が必要と思われる知的障害を合併する視覚障害児(以下重複障害児とする)の母子関係について,その問題点を考える.
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