Japanese
English
講座
障害児と母子関係 3.肢体不自由児における母子関係
Disabled Children and Mother-Child Relationship. 3. Mother-Child Interaction in Disabled Children
久田 信行
1
Nobuyuki HISATA
1
1北九州市立総合療育センター臨床心理
1Center for Developmental Medicine and Education in Kitakyushu City.
pp.641-646
発行日 1982年9月15日
Published Date 1982/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102698
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
前号で藤田は,母子関係を考える上で愛着行動と依存一自立過程が重要であると指摘している.肢体不自由児は,愛着行動のうち,信号行動(泣く,笑う,手足を動かす)も接近行動(しがみつく,あとおいするなど)も充分に行いにくい.また,自立過程で,文字どおり自ら立つことが困難なため,母親から離れて自己の能力を知ることに問題がある.
これら基本的困難の他に,肢体不自由児における母子関係に影響を与える要因は多岐にわたる.今回は,新生児期の母子分離,障害受容に伴う情緒的混乱,家族のストレスの問題をとりあげて検討する.
母親以外の家族の要因,社会的要因など,他にも考慮すべき問題があるが紙数に限りがあるので割愛する.
最後に訓練士として母子関係にアプローチする上での注意を若干述べる.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.