Japanese
English
研究と報告
統合失調症者の自覚的な疲労感―RPEによる検討
Examination of the sense of perceived fatigue in schizophrenics.
武田 秀和
1
,
大森 圭貢
2
,
笠原 酉介
2
,
山下 久実
3
,
牧野 英一郎
3
,
若山 浩史
3
,
中原 凱文
4
Hidekazu Takeda
1
,
Yoshitsugu Omori
2
,
Yusuke Kasahara
2
,
Kumi Yamashita
3
,
Eiichiro Makino
3
,
Hiroshi Wakayama
3
,
Yoshibumi Nakahara
4
1神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部リハビリテーション学科
2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院リハビリテーション部
3武蔵野中央病院
4東京工業大学大学院
1School of Rehabilitation, Faculty of Health and Social Work, Kanagawa University of Human Services
2Department of Rehabilitation, St Marianna University School of Medicine, Yokohama City Seibu Hospital
3Musashino Chuo Hospital
4Graduate School of Decision Science and Technology, Tokyo Institute of Technology
キーワード:
統合失調症者
,
自覚的疲労感
,
運動療法
Keyword:
統合失調症者
,
自覚的疲労感
,
運動療法
pp.551-556
発行日 2005年6月10日
Published Date 2005/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100116
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はじめに
統合失調症者では運動や作業場面において,他覚的には疲労困憊な状況でも活動し続ける症例や,反対に非常に疲れやすく,持続性能力が著しく低下している症例を経験することがある1-3).このような統合失調症者の症状は古くから指摘され,Bleuler4)は,これを疲労現象と呼んでいる.一方,身体の疲労感に関する最近の調査によると,地域で暮らす統合失調症者の自覚症状は,服薬による身体のだるさや動きの鈍さなどを訴える人が約70%と最も多いことが報告されている5).統合失調症者の疲労の症状は,身体症状への的確な対処を遅らせるばかりか,リハビリテーション実施上の阻害因子にもなりうるものである6-8).これを把握することは,統合失調症者にリハビリテーションプログラムを導入し,継続していくうえで大切であると考える.
そこで本研究は,統合失調症者の自覚的な疲労感に着目し,その評価と運動療法が及ぼす影響の2点について検討した.
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