Japanese
English
特集 上肢切断
仮義手システムによる装着訓練
Immediate and Early Prosthetic Training with Temporary Prosthesis for Upper-Extremity Amputee
谷合 義旦
1
,
大喜多 潤
1
Yoshiaki TANIAI
1
,
Megumi OHKITA
1
1兵庫県リハビリテーションセンター
1Hyogo Rehabilitation Center.
pp.921-926
発行日 1981年11月15日
Published Date 1981/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102513
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.はじめに
切断者のリハビリテーションの目的は,手足の切断という大きな心理的ショックをできるだけ軽減しながら早期に成熟断端を確保し,義肢の早期装着訓練を実施し,一日も早く社会へまたは職場へ復帰させることにある.
特に片上肢切断者の場合は,義手を装着しないまま時間が経過してしまうと健側での動作に慣れてしまい,かえって義手の装着を嫌うケースも多い.また,たとえ義手を製作しても,しばらく使用した後徐々に適合が悪くなり結局装着しなくなってしまったケースもある.
その原因については大喜多5)が述べているとおりであるが,患者側の問題ばかりでなく,リハビリテーションを進める職員側にも問題があるのではないかと思われる.
切断者に対し義手を製作するに当っては,早期よりできるだけ本人のニードに合うよう検討を進め,そのニードに応じた義手を製作することが我々切断者にかかわる職員の役割である.このようなことが本人の目的行為を遂行させるための援助ともなっている.
仮義手システムは,具体的な評価および検討が十分できることと,患者の意見なども取り入れながら進めることができるため大変有効な手段であり,兵庫県リハビリテーションセンターでは昭和44年より本法を施行しており,現在もなおその検討や改善を続けながら開発を進めている.
次の開発に明るい展望をかけ,切断者のリハビリテーションに役立てるため日頃我々が行っていることを紹介する.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.