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特集 上肢切断
サリドマイド胎芽症児のその後
Present Status of Disabled Persons with Thalidomide Embriopathy
大漉 憲一
1
1東京都心身障害者福祉センター
1Tokyo Metropolitan Rehabilitation Center for the Physically and Mentally Handicapped.
pp.915-920
発行日 1981年11月15日
Published Date 1981/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102512
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はじめに
サリドマイド剤による先天性障害児の誕生が大きな社会問題となってから,おおよそ20年が経過しようとしている.
日本において,サリドマイド胎芽症として認定されている者は,1979年4月に3名,1981年5月に3名,それぞれ追加認定された者も含めて,全国で309名(うち2名は死亡―いずれも交通事故による)となっている.ちなみに,世界各国のサリドマイド胎芽症児の概数は,Lenzによると,西ドイツ2,722名,英国350名,スウェーデン120名,カナダ120名,イタリア80名,台湾20名,オーストラリアおよびニュージーランド25名となっており,日本を含めて合計3,746名に達している.氏は,これらの生存児は生まれた児の55%に当り,残りの45%は死亡したとし,全被害児は約7,000名におよぶものと推定している1).
本稿では,主としてわが国におけるサリドマイド胎芽症児の現況と,筆者らが指導した若干の事例を報告したい.
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