特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域 腫脹の診断
19.仮声帯の腫脹
湯本 英二
1
1愛媛大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.101-106
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901027
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はじめに
仮声帯は声帯の上方に位置する粘膜のヒダであり,嚥下時に内転して下気道の保護に役立つ。しかし,声帯の内転による強い声門閉鎖と比較するとその意義は比較的小さい。また,発声機能における役割もほとんど無いと考えられている。したがって,仮声帯の腫脹自体よりも,高度の仮声帯腫脹あるいは合併する声帯の腫脹が気道狭窄や声帯振動の障害を引き起こして初めて症状を発現する。
本項では,仮声帯の腫脹をきたす主な疾患の特徴と鑑別診断について喉頭像や種々の画像を交えて紹介する。
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