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Ⅰ.はじめに
インテーク面接(intake interview)とは,医師では「初診」にあたり,ソシアル・ワーカー(SW)では「受理面接」と称し,第一日目の患者との出会いを意味している.理学療法では「初回評価」として行われるが,いわゆる理学療法としての評価・測定の他は,理学療法士(PT)の自己紹介と理学療法のオリエンテーションおよび理学療法に対して協力的か否か程度のもので大体すましているようである.しかし,我々PTは,「初回評価」を実施する前に必ず患者についての何らかの情報を得ており,それは,少なくとも,医師からの診断・病状・リスクおよび理学療法の必要性・目的に関することを含んでいる.そして,リハビリテーション専門医やSWのいる施設では,すでにリハビリテーションや,理学療法についての本格的なオリエンテーションが行われており,それに対しての患者の方向づけが大体なされており,また,リハビリテーション援助を行うにあたって必要なその患者の背景についての情報があらかじめかなり得られることが多い.専門医やSWのいない施設や地域で仕事をしてみるとその違いがよくわかり,当惑された経験のあるPTも少なくないと思う.
ここでは,理学療法を開始するにあたり必要なことがらで,PTが初回評価で行わなければならないこととはいったい何であろうか? という意味でインテーク面接を考え直してみたいと思う.リハビリテーション専門医やSWがいるかいないかでPTの行うべき内容に差が生ずることは事実である.しかしこのことは,リハ医やSWの専門分野をカバーするという意味ではけっしてなく,リハビリテーション援助のためにインテークする場合に,その専門にかかわらず,どこかで必ず行わなければならないことがあり,それをPTが行わなければならなくなることが往々にしてあるということである.すなわち,PTのインテーク面接では,PTとして必要なものの他に,各人が自分の職場での他職種の機能との関係で足りないものを補うような性質のものとがあるのである.
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