特集 ‘老い’の心
老人の涙と歌—音楽とインテーク・ワークから探る老人の心
田中 多聞
1
1医学博士・音楽療法の家
pp.1111-1115
発行日 1976年11月1日
Published Date 1976/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918007
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医者・看護者の思い上がり
音楽療法の家は,老人たちの応接間みたいだ.セラピーを受けに来る人よりも,心の憩いを求めてやって来る.それがセラピーになっているのだが,本人たちは,音楽を聞いたり,持って来た楽器を演奏したり,私とおしゃべりしたりして毎日が楽しい.
私が男だからだろうか?訪れる老人たちは女性ばかり.みんな精いっぱいのおしゃれをしてニコニコして訪れる.彼女らは,若い女性とほぼ同じくらいに繊細な心を持っている.感情面も若々しく,人を愛し,自分も愛されることを強く望んでいる.
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