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Ⅰ.はじめに
インテーク面接とは,もともとは患者または来談者に対して,初回に行われる心理学的な立場からの,面接を指して呼ぼれている.主に治療へすすむ前段階として,大まかに患者の心理社会的背景を把握し,心理診断や治療方針の参考にする目的で行われる.
そのような心理学的立場に対して,OTの立場は,活動や動作という非言語的なアプローチが加わる.そしてそれが特徴ともいえるであろう.したがって,インテーク面接の目的や内容も,心理学的な面接とオーバーラップする部分はあっても,作業療法独自のものが必要になってくる.しかし治療者と患者の人間関係を,治療的な意味から,大切にしようと希うかぎり,相互の交流の在り方は,同じように重要である.
まず作業療法インテーク面接は,何のために必要であろうか.云うまでもなく人間理解の手段として,問題点の把握と評価,および作業療法同標の設定,治療計画のための参考資料を得るなどが,その主な目的となる.その意味から,作業療法においてもインテーク面接は,欠かすことのできない手続きである.とくに精神療法的作業原法では,インテーク面接は,重要な位置づけになるであろう.
では精神療法的作業療法におけるインテーク面接とは,具体的にどのようなものであろうか.それは作業療法の長い歴史のなかで,試行錯誤と多くの努力によって,今なお発展を続けているのが現状である.心身症を臨床面で主な対象疾患としている筆者が,さまざまな作業療法の在り方と,対象疾患の全域について述べることは,大変困難なことと思う.
しかし,作業療法インテーク面接について,少しでも共通の立場をつくる参考となることを希い,稿をすすめてみたい.
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