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特集 訪問指導
在宅身障老人に対する訪問指導の効果―理学療法士の立場から
Effect of Home Visit Rehabilitation Program for the Disabled Elderly Living in Community: A Physical therapist's view
福屋 靖子
1
Yasuko FUKUYA
1
1筑波大学社会医学系
1Dept. of Nursing and Rehabilitation Medicine, Institute of Community Medicine, The University of Tsukuba.
pp.11-19
発行日 1987年1月15日
Published Date 1987/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103710
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Ⅰ.はじめに
理学療法士による訪問指導の報告は昭和46年の大阪吹田保健所保健婦と大阪大学病院理学療法士によるもの1),45年の第5回日本理学療法士学会に発表された東大病院理学療法士による“ホームエバリュエーションとその実際について”2)が,はじめかと思われるが,これ以前にも,退院患者のフォローアップとして,あるいは,市町村の地域保健活動への協力の形で実施されはじめていたことが推察される.
昭和53年厚生省より出された「老人保健医療総合対策開発事業」としての在宅ねたきり老人の訪問看護事業3)が急速に各市町村で推し進められてからは,各県・市町村から理学療法士への協力要請があり,県士会としても,会員数の少ない中で,可能な限り協力し,実施してきたが,量的にも十分な対応が困難な状況にあった.
昭和57年老人保健法が制定され,保健事業としての訪問指導が規定されてからは,各市区町村でも機能訓練事業と合わせて,本格的にとり組まれるようになり,理学療法士への要請もそれを反映して増加してきている4).
しかしながら,現在,訪問指導に関する目標設定,プログラム作製,指導および効果判定方法などについては,まだ試行錯誤の段階で,思うように進められない援助に,とまどい,困惑している理学療法士は少なくないと思う.
この論文の目的は,筆者の9年間の訪問指導の経験および,在宅身障老人の調査活動から,訪問指導の目標およびプログラムの立て方と効果判定の試案の紹介である.
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