特集 リハビリテーション機器
<随想>
医療機器メーカーに真に望むこと
花田 春兆
1
1しののめ編集室
pp.192
発行日 1981年1月15日
Published Date 1981/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102327
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メーカーへの注文ということだが,「待て」と考えてしまった.医療機器メーカーはあっても,自助具メーカーなんてあったかな,と思ってしまう.毎年の医療機器展にしても,大物機器の展示ばかりで,小物は年ごとに姿を消していく.入浴器具にしてもものものしくて,病院やいわゆる“施設”でなければ使えないものばかりが目につく.儲けねばならぬ経営上から,そして現在のマーケットの状態からは,そうならざるを得ないのはわかる.だが,それでは困るのである.
施設中心から地域への福祉へ.それが早急に行かぬにしても望まれるものならば,一般的な家庭内で使用されるものへ目が向けられねばなるまい.そうでなくとも障害者の多くは広い意味での“在宅”なのだ.障害者の肉体的実情を知るのはもちろんだが,その障害者がどんな生活環境にいるのか,そこまで目を向けるメーカーであって欲しいのだ.
(しののめ編集室)
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