患者と私
医療制度の改革を望む
三河内 薫丸
1
1日比谷病院
pp.108-109
発行日 1970年1月20日
Published Date 1970/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205023
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□外来診療の偽らざる日常は
今日も外来には多くの患者がつめかけている.この中の幾人が,はたして,本当に医師の診断を必要とする人であろうか.又慎重かつ綿密な診断により,一刻も早く治療方針をたて,同時にその心の不安を時間をかけて説得する必要がある人々に対し,医帥として良心的に対処する時間があるだろうか?と思い少々暗い気持になるのが常である.
事実,自分で治療すれば医師の特別の処置を必要としない患者が多すぎるために,私共が今迄勉び経験した総ての知識を総動員しても,説明のつかない症状を呈する人にもつと問診し検査をしてみたいと思つても,時間が無い.つい「入院して,くわしく検査しましよう」という決り文句で診療を終る.患者は納得のいかないまま入院出来る日まで待つか,他の病院へ行く.
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