Japanese
English
特集 リハビリテーション機器
Ⅱ.日常生活動作別にみた機器
コミュニケーション:電話
Telephone
相良 二朗
1
Jiro SAGARA
1
1兵庫県リハビリテーションセンター
1Hyogo Rehabilitation Center, Rehabilitation Design & Information Service Project.
pp.93-98
発行日 1981年1月15日
Published Date 1981/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102307
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.電話と生活
電話が持つ利便性についてはいまさら言うまでもないが,数ある遠距離コミュニケーションシステムの中でも,最も高価値なシステムである.電話によるコミュニケーションには3つの大きな特徴があり,他のシステムが合せ持ち得ない利点である.これは即ち,(1)受け手も送り手も限定されない,(2)身体の動きを殆んど伴わない,(3)相互伝達であり,即時性を有する,という特徴である.
この特徴を生かせば,身体障害者にとって,電話は単に生活機器の一つとしてだけでなく,リハビリテーション機器としての意味も持たせることができる.即ち,身体の移動を伴わない職業への就労(例えば,タクシー通信室や各種の苦情や予約の受付など)の可能性が考えられるし,寝たきりのような在宅重度障害者に対しては,身体状況や環境状況の遠隔監視装置(当面考えられるのは本人との対話による確認であるが)として用いることによって常時介助からの脱却を計れるようになる.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.