ホームケア・4 新宿区立区民健康センター訪問看護婦のリレー随筆
うれしい電話
加藤 登志子
pp.430
発行日 1982年4月1日
Published Date 1982/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919526
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帰宅して夕食の支度にかかっていると,Yさんから電話があった.患者さんから自宅への電話はよくよくのことと思い,一瞬緊張する.しかし,この日Yさんの声ははずんでいた.‘気分はいいのです.実はKさん(ボランティア)たちが,創の全快祝いを,次の日曜日にやろうというのです.M医師も来てくださるというので……’と誘いの電話だった.
Yさん(53歳,女,単身)は悪性リウマチで身障2級.膝も股関節もまっすぐ伸びたまま固定しており,松葉杖で直立位しかとれない.歩行はわずか数センチずつ移動するのがやっとである.しかも,二次障害で下腿部に鬱血を来し,皮膚潰瘍が発生する.一度できた潰瘍は,皮膚移植術を繰り返す難治性潰瘍となる.昭和34年以来,この潰瘍のため,Yさんは人退院を8回繰り返していた.
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