Japanese
English
特集 整形外科的疾患から
腕神経叢麻痺のリハビリテーション
Medical Rehabilitation in Brachial Plexus Injury
近藤 徹
1
,
浅井 憲義
1
Tooru KONDO
1
,
Noriyoshi ASAI
1
1埼玉医科大学整形外科
1Saitama Medical School.
pp.751-755
発行日 1980年11月15日
Published Date 1980/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102260
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はじめに
腕神経叢麻痺の治療方針をたてるには神経回復の予後について見通しを持つことが必要である.回復性か,非回復性か,回復性ならばおよそどの程度の回復が見込めるか,どの程度の機能再建が必要か,保存療法のみで行けるかなど,リハビリテーションプログラムに大いに関係して来るところである.腕神経叢損傷の予後は神経叢の損傷状態の反映であってこれは発生機序と深い関係がある.損傷原因は種々あるが,神経叢の損傷態様としては,牽引損傷が最も多い.つまり頭部と肩が引き離されるが如き外力が加わって生ずる損傷が多いのである.事故原因は交通事故,特にオートバイによる転倒が最も多く,分娩中の損傷がそれに次ぐ.交通災害,工場災害(ベルトへのまきこまれなど)は,大きな外力が作用し,外力作用機序も多様であるが,分娩による以外には一様性がみられ,経過にも規則性が認められる.また対象の年齢に大きな差があり治療も一様に論ずることができないので,外傷性腕神経叢麻痺と分娩麻痺とに分けて述べる.
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