Japanese
English
特集 上肢機能障害へのアプローチ
腕神経叢麻痺
Brachial plexus palsy.
田尻 康人
1
Yasuhito Tajiri
1
1都立広尾病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Tokyo Metropolitan Hiroo Hospital
キーワード:
腕神経叢根引き抜き損傷
,
上肢機能再建術
Keyword:
腕神経叢根引き抜き損傷
,
上肢機能再建術
pp.1325-1331
発行日 2007年11月10日
Published Date 2007/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101108
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腕神経叢麻痺とは
上肢の運動を掌る神経は第5頸神経根から第1胸神経根までの5本の神経根からなり,互いに分枝し,合流して最後は個々の終末枝となる.この神経根から終末枝までの網目状の構造を腕神経叢といい,この部位で生じる麻痺を腕神経叢麻痺という.
腕神経叢麻痺の原因は,外傷,腫瘍,放射線障害などさまざまである.圧倒的に多いのは外傷であり,外傷性腕神経叢損傷では,オートバイによる高エネルギー外傷が90%を占め,年齢的にも30歳までの若年者が多い.一方,器械への上肢巻き込みや,落下物による腕神経叢麻痺は労務災害の場合が多く,オートバイ事故に比べれば高年齢であることが多い1).腫瘍が原因となるものには,Pancoast腫瘍などの占拠性病変に加え,乳癌などの非腫瘤性浸潤がある.
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