The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 14, Issue 10
(October 1980)
Japanese
English
講座
作業療法概論 4.医療・福祉・教育における作業療法の対象と活動分野
Occupational Therapy: 4. The Scope and the Client of Occupational Therapy
金子 翼
1
KANEKo Tasuku
1
1国立犀潟療養所付属リハビリテーション学院
1Saigata school of rehabilitation.
pp.699-703
発行日 1980年10月15日
Published Date 1980/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102247
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Ⅰ.はじめに
理学療法士・作業療法士法が施行されてから早15年,我が国における作業療法もあわただしい試行錯誤の時代に終りを告げ,すでに内容充実の時代を迎えるに至っている.
作業療法士の数も昭和55年度には982名となり,当初のほんの一握りの作業療法士が,限られた特殊な分野・施設で活動していたものが,徐々にそして急激にその対象と活動領域を拡大しつつある.
つまり対象となるclientの年齢は就学前後から乳幼児へ,そして成人から老人へ,作業療法士が関与する病期は慢性期から急性期へ,加えて慢性期からより職業に近い時期へ,障害の状態も回復の可能性のあるものから固定した障害を持つ者,進行性障害を持つ者までを含むようになっている.
また作業療法士の活動の場は医療施設のみであったものから,福祉施設・教育(養護学校)・作業療法教育・研究へ,加えて施設内serviceからcommunity careへ,大規模施設から小規模施設へ,都市から地方へと,その活動の輪を広げている.
さらにapproachの方法も整形外科的approachから高次神経機能学的approachへ(図11)),そしてひとりの作業療法士の傾向も作業療法全搬のgeneralistから,ある領域のspecialistへ,さらにその領域の中でのsuper specialistへ,というように時代の流れとともに変化・拡大しつつある.
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