とびら
「リハビリテーション」と「医学」
竹内 孝仁
1
1東京医科歯科大学医学部・整形外科
pp.231
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102123
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身体に重い障害を残す病気にとって,リハビリテーションという分野があることは今や社会の常識となっている.障害による日常生活の破綻については,疾患そのものを扱う従来の臨床医学に解決を期待することはできない.しかし一般には病気とそれに続く人間生活の破綻も,同じように医療の場で解決されると思われている.
実際のリハビリテーションの場で,1人の対象者に最大限の人間生活をとり戻すには狭義の医療や医学を越えた問題の存在が痛感される.そのうちの1つは比較的はっきりとしたもので,社会全体の体制や行政的施策およびさまざまな私的活動のあり方であり,これらのいわゆる“社会資源”についてはリハビリテーションの領域においてソーシャル・ワーカーや各種のカウンセラーなどが取り組んでいる.これとは別のもう1つの重要な点は,医師,PT,OT,STのいわゆる“治療分野”における視点の問題がある.
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