リハビリテーション院内から地域へ てい談
地域リハビリテーションと開業医
林 弘
1
,
鈴木 荘一
,
竹内 孝仁
2
1東京逓信病院
2東京医科歯科大学
pp.866-872
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207853
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
林 日本のリハビリテーション医学は,欧米の発想,欧米の生活様式を基本にした文字どおりの舶来品で,輸入後約20年たって,ようやく日本のリハビリテーション(以下リハと略)として定着しはじめたと思いますが,それが本当に患者の住んでいる町や村に定着したかというと,そこまではいっていません.これは,輸入の発想に始まったので仕方ないことかもしれませんが,急速に高齢化が進み,老人問題が深刻化していることを考えると,そうのんびりと構えてもいられない.明治の人たちもかなり急いでことを進めてきたけれども,我々も真剣にできることからやっていかないといけないと思います.
では,何から手を付けるかと言うと,私自身もまだわずかな経験しかありませんが,患者が住んでいる場でのリハが実はいちばん放りぱなしになっていることです.本当に生活につながるリハのシステムができていない.今まである専門のセンターや少数の有志がやっている地域のリハとかの有機的な連携一貫したリハの流れが今もってできていない.これはゆゆしいことです.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.