プログレス
身体障害者のリハビリテーション(2)/看護教育のめざすもの(2)―人間とは何か
博田 節夫
1
,
薄井 坦子
2
1国立大阪南病院理学診療科
2千葉大学・看護学部
pp.127
発行日 1980年2月15日
Published Date 1980/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102095
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リハビリテーション・ゴールの決定には,身体的,心理的および社会的要素を考慮することはもちろんである.リハビリテーションの治療期間は長く,最近ではかなり改善されたとはいえ,入院期間が長いのがわが国の特徴である.その原因として,完全治癒に対する願望,病院経営およびゴール決定に問題があると思われる.
リハビリテーション治療ではimpairmentとdisabilityがその対象となる.しかし,患者にとってはそれらの区別はなく,たとえimpairmentの改善がなくてもableとなれば“良くなった”という表現のもとに最終的な完全治癒を期待するようになる.身体能力の予後はある程度の期間観察すれば予測できるので,“治療契約”も可能で,それによって治療の目標を患者に理解してもらうことも可能である.契約とまではいえなくても,最近では予後を知らせる傾向があるのは喜ばしい.
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