The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 14, Issue 2
(February 1980)
Japanese
English
講座
理学療法概論 2.理学療法の歴史的背景の考察
Historical Back Ground of Physical Therapy
藤本 欽也
1
Kinya FUZIMOTO
1
1甲州中央温泉病院
1Koshu chuo Onsen Hospital.
pp.147-154
発行日 1980年2月15日
Published Date 1980/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102100
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はじめに
今日,我々が用いる“理学療法”という言葉の一般的概念は,近代リハビリテーション(以下リハと略)医学体系の中の治療医学として学問的に体系づけられた理学療法学とそれらの背景を基にした臨床的適応としての医療を意味するものとしてとらえる場合が多い.しかし,この言葉の持つ意味の範囲は,これらのみではない異ったものも含んだ広さがある.しかも我が国の理学療法は歴史的にも今日までさまざまな変化を遂げてきていることを,充分考慮すべきである.わが国の理学療法の歴史的背景を考察するうえで,密接な関係にあるリハの歴史を,その理念的側面,医学的側面,その他の関係からリハ先進国と比較しつつ述べてみたい.すでに多くの諸兄姉によって記された論文,成書があるが,本稿では多少私見が入る事をお許し願いたい.リハの歴史の背景には膨大な史実があり,少ない紙面ではとうてい充分な説明は不可能であるため一部割合し,簡略化して年表的にしたものを掲載することにした.
リハの時代区分は未確立である.“リハビリテーション白書”29)では世界的な流れと我が国の流れを共通の枠でとらえることを原則として区分し考察をしている(表1参照)がここでは多少わが国の場合は異なるので,理学療法関係では特異的だがリハビリテーション白書を参考にして考察した.
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