Japanese
English
研究と報告
作業療法を専攻する学生の職業志向性
Vocational Orientation in Occupational Therapy Students
菊池 恵美子
1
Emiko KIKUCHI
1
1東京都立府中リハビリテーション専門学校
1Fuchu Rehabilitation Professional School.
pp.1041-1045
発行日 1978年12月15日
Published Date 1978/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101792
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Ⅰ.問題
A. Roe1)やJ. Crites2)らに代表される職業行動に関する発達的アプローチの理論は,人間の発達段階における個人と職業の関係を,力学的に捕えようとするものである.中でも,人の職業選択は,R. Hoppock3)やD. Super4)らが指摘するごとく,それは長期に渡る連続的な過程であり,「1つの方向性を持った自己概念の職業的表現5)」と言えよう.
一般の大学と異なり,作業療法(Occupational Therapy以下OTと略す)や理学療法(Physical Therapy以下PTと略す)を専攻する学生は,いわば“すでに職業を選択したもの”である.彼らを,E. Ginzberg6)やC. Buehler7),D. Miller8)やW. Form8)らによる職業的方向づけの段階に位置づければ,それは,現実期の中の,さらに結晶期に当り,養成校における修学期間は,以後確立期へと結実する重要な過程でもある.しかし,入学した学生の中には,確立期へと移行する代わりに,いわば探索を続け,それが休学または退学の形をとらせる場合もある.この探索期―結晶期―確立期の流れは,年齢に関係なく,人がいわゆるその職業的役割を変える時にはいつでも,くり返される過程である.
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