Japanese
English
研究と報告
拮抗筋の作用に関する筋電図学的研究
An Electromyographic Study of Antagonist Muscle Activity
灰田 信英
1
Nobuhide HAIDA
1
1慶応義塾大学病院
1Rehabilitation Center, Keio University Hospital.
pp.1029-1035
発行日 1978年12月15日
Published Date 1978/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101788
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.緒言
ファシリテーションテクニックやBiofeedback治療の対象となる中枢神経疾患の患者では,随意運動に障害を起こし,筋緊張の随意的調整能に異常をきたす.そのために,中枢神経疾患のリハビリテーションに携わる者は,運動異常のメカニズムの解明と同時に,随意運動の正常生理も熟知する必要がある.
リハビリテーション領域において随意運動というとき,特に高度の巧緻性を要するもの,あるいは特別に設計された運動様式を意味している.そして,このような運動は,複雑な筋活動の統合ともいうべきもので,そのメカニズムの解析には困難な点も多い.
著者も正常人1),片麻痺患者1),あるいは義足2)について歩行時の筋電図記録を行なったが,これら統合された運動とならんで単純化された運動の分析も重要と思われる.
そこで本稿では,随意運動として単純な筋力発揮を行なわせ,その際,随意的な筋力発揮を運動の速度と力の2因子に着目した場合,これらの因子に対応して,拮抗筋の活動がどの程度認められるか,さらにこれらの因子の基で拮抗筋は筋緊張の随意的調整にどのように関与しているかを明らかにすべく,以下の実験を行なった.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.