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特集 最近のトピックス1995 Clinical Dermatology 1995
I 最近話題の疾患
職業性強皮症
Occupational scleroderma
石川 治
1
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
キーワード:
職業性強皮症
Keyword:
職業性強皮症
pp.7-11
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901504
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職場あるいは生活環境中の物質の暴露により強皮症様の皮膚変化が引き起こされることがあり,職業性強皮症あるいは環境誘発性強皮症と呼ばれる.原因物質により経過,臨床症状などに関して,通常の全身性強皮症とはいくつかの相違点が認められている.我々はエポキシ樹脂従事者に認められた職業性強皮症患者を15年にわたり経過を観察してきたが,本症は1)発症から皮膚硬化が極期に達する期間が1年と短いこと,2)その後,比較的速やかに皮膚硬化が改善したこと,3)Raynaud現象や内臓病変が認められないこと,4)抗核抗体陰性を含め,検査値異常がほとんど見られないことなどが全身性強皮症とは異なっていた.本症を含む職業性強皮症は暴露者全員に発症するわけではなく,原因物質の代謝過程あるいは原因物質に対する免疫応答などの個体側の因子も発症に関与していると考えられる.
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