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特集 運動療法
Ⅵ.骨・関節の運動療法
関節炎の運動療法
Therapeutic Exercise of Arthritis
武富 由雄
1
Yoshio TAKETOMI
1
1大阪大学付属病院リハビリテーション部
pp.1114-1119
発行日 1976年12月15日
Published Date 1976/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101381
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Ⅰ.はじめに
炎症は刺激に対する生体組織の局部反応である.この炎症が関節に限定された疾患が関節炎(Arthritis)である.これに対し炎症を伴なわない非炎症性の関節疾患(Arthropathy)がある(表1).いずれも関節軸の回りに炎症や病変を起こし滑めらかであるべき関節の回転運動がぎくしゃく動き,痛みを誘発し,関節運動にブレーキがかかってしまう.
阪大病院リハビリ部で入院患者の11%はリウマチや関節症の関節疾患の運動療法を行なっている(昭和48年).理学療法ではすでに侵された関節の構築上の変化や変形を元に戻すことはできない.関節疾患の種類,症状の強さと程度,病気の拡がりと程度に応じて,残された関節滑走面の動きと,関節周囲の軟部組織の伸張性を最大限に生かし,関節の回転運動の回復をねらいとして行われるのが広い意味での関節炎の運動療法である.
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