Japanese
English
特集 脳卒中と理学療法・作業療法
片麻痺に合併する疼痛と理学療法
The Pain Combined with Hemiplegia and its Physical Therapy
武富 由雄
1
Yoshio TAKETOMI
1
1大阪大学医学部附属病院リハビリテーション部
1Osaka University Hospital.
pp.783-790
発行日 1977年11月15日
Published Date 1977/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101574
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Ⅰ.はじめに
片麻痺の機能回復を阻害する因子の一つとして疼痛がある.麻痺した手足を動かそうとすればするほど痛みが追従してくる.機能回復の過程で,ほとんどの片麻痺患者が多少とも痛みを経験する.そして訓練指導するセラピストに,この疼痛に直面せず,また避けて通り過ぎて行かれないと思われる理学療法上の問題点の一つである1)2)3)4).
片麻痺に合併する疼痛の主なものとして麻痺上肢の肩関節周辺の疼痛がある.疼痛は筋骨格系に起因するものが多い(表1).脳血管障害で感覚神経細胞の集まりであり,感覚神経が連絡をとる視床が障害をうけると「中枢性疼痛」あるいは「視床痛」が起きるが,理学療法の手段をもってして,この耐え難い痛みの軽減は困難である.そこで筋骨格系に発する疼痛の予防と軽減に,セラピストは物理療法と運動療法を,さらに心理面からの鼓舞をも加えて麻痺肢の機能回復と平行して,合併する疼痛に対処していかなければならない.
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