メディカルプログレス
失語症(2)利き手と失語症の回復,および片麻痺の関係/肩手症候群
福井 圀彦
1
,
三好 正堂
2
1七沢病院
2九州厚生年金病院
pp.633
発行日 1976年8月15日
Published Date 1976/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101286
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右利きではほとんど左半球の障害で失語症が起こる.左利きと称するものの中には完全型と不完全型とがあり,またその中でも親,同胞に左利きが揃っている場合とそうでない場合とを比べると,前者に脳機能の偏位性が高いとされているが,一般的にいって左利きは右半球障害によって失語症が起こる率が高くなる.
いいかえるならば,左利きは右利きの鏡像ではなく,言語中枢が右利きの場合ほど強く片側に偏位しているわけではないということである.左利きでも,むしろ言語中枢は左半球に偏しているとの報告が多く,左:右の比率は7:3~5:5といわれる.
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