メディカルプログレス
失語症(5)失語症と失認・失行症の相関/正常圧水頭症
福井 圀彦
1
,
三好 正堂
2
1七沢病院
2九州厚生年金病院リハビリテーション科
pp.877
発行日 1976年11月15日
Published Date 1976/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101346
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失語と失認,失行とは全く別のカテゴリに属するものではなく,お互いに相関が深いことが最近しだいに明らかになりつつある.Welmanは右利き左半球障害で片側性視空間失認,身体失認,病態失認に加えて失語症状を呈した5例を報告し,片側性失認と失語症が共存しうることを明らかにした.
また,視線がどこを向いているかを調べる目的で,eye cameraを感覚性失語患者に用いて絵画を見させると,視線が無為に絵画の一部に浮動するのみで,要所要部を走査して総体を把握しようとする動きがみられない(絵画失認,同時失認)ことが知られているが,これは視覚的認知が言語分野のみでなく,非言語分野においても低下していることを意味するものである.
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