メディカルプログレス
微細脳損傷/精神科リハビリテーション(その3)
江口 寿栄夫
1
,
鈴木 純一
2
1高知県立子鹿園
2都精神医学総合研究所
pp.633
発行日 1975年9月15日
Published Date 1975/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101078
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新生児の脳損傷による症状としてよく知られているのは,精神発達遅延(MR),脳性麻痺(CP),てんかん(Epi)である.最近注目されてきているのが,微細脳損傷(minor brain damage,minimal cerebral lesion)で,定義的には,「本症は知能は正常か正常以上でありながら,各種の学習,行動の異常(bihavioral disorders)があり,中枢神経機能の偏奇があるものをいう.このため,認知,概念化,言語,記銘,集中力,衝動の抑制,運動機能障害などが組み合わされているものをいう.」とされている.しかし,ここに運動障害といっても,神経学的検査でえられる徴候は少く,不器用な,とか,共同運動の異常などの症状であり,脳波にも異常をみることが多い.
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