Japanese
English
特集 小脳
小脳シナプスの微細構造
Ultrastructure of synapses in cerebellum
内薗 耕二
1
Koji UCHIZONO
1
1東京大学医学部生理学教室
1Department of Physiology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.809-821
発行日 1973年10月10日
Published Date 1973/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903543
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I.はじめに
中枢神経系の中で小脳ほどその構造と機能の関係が明確にされているものは少ない。神経解剖学と神経生理学はかつて全く未開の研究分野であった小脳の構造と機能とを明らかにした。ことにEccles1)一派の細胞内電極による小脳ニューロンの結合様式に関する研究は,中枢神経系への電気生理学の輝しい導入のきっかけとなったものである。Cajal2)によってなされた形態学的研究の機能的肉づけを行なった彼らの過去20年の研究は生理学史に永く記億されるであろう。小脳は形態学的にきわめて鮮烈な特徴をもっている。古くからその整然たる規則正しさは"geometrical regularity"の名をほしいままにしている。Ecclesらが細胞内電極法をいち早くこの分野に導入したことは,彼らの烱眼というべきであろう。中でもチェコの愛国的生理学者Purkinjeによって発見され,その特異な形態のためにあまねくその名を知られているプルキンエ細胞は,多くの研究者の注目を惹くに充分であった。小脳を構成する要素,ニューロンとグリヤについては古典的解剖学によってあまねく明らかにされていた。
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