指標
細胞微細電気泳動実験法—その産婦人科領域への応用
石束 嘉男
1
,
内野 修平
1
,
野口 健太郎
1
,
鈴木 純一
1
,
種田 修
1
Yoshio Ishizuka
1
1日本大学医学部産科婦人科学教室
pp.1071-1081
発行日 1977年12月10日
Published Date 1977/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205737
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細胞微細電気泳動実験法Cell Microelectrophoresisとは,原理的には通常の電気泳動法と同じであるが,細胞をそのまま泳動させてその速度を測定する点が異なる。すなわち細U字型毛細管の中に細胞浮遊液を満たして,これに両極より一定の直流電流を通電し,細胞を一定の電場におくと,細胞はその表面荷電密度に応じた速さで一方の極へ移動する。したがってこの実験法はその泳動速度Electrophoretic Mobility(EPM)より細胞表面荷電量を算定することにより,細胞の生理的あるいは病的な状態を推定しようとする方法である。
このEPMは,細胞表面自体の性質ならびに測定に伴う種々の条件により左右される。そこで測定にあたってはその条件をできる限り一定に保って実験を行なえばEPMは細胞表面の性状の変化と平行して変動するはずである。そのうちで最も重要な要素の一つは細胞増殖とEPMの関係であろう。
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