Japanese
English
特集 精神薬理
生体微細振動と精神薬物
Minor Tremor and Psychotherapeutic Drugs
稲永 和豊
1
,
王丸 勇
1
Kazutoyo Inanaga
1
1久留米大学医学部精神神経科学教室
1Department of Neuropsychiatry, Kurume University, School of Medicine
pp.663-682
発行日 1961年12月25日
Published Date 1961/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903944
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1.はじめに
生体の表面から,常に数ミクロンの振動がおこつていることは,特にWienのRohracher1)によって報告されているが,筆者も6年程前にこの現象を確認し,現在迄ひきつづいて研究をつづけてきた。この微細な振動をRohracherはMikroschwingung,Microvibrationと呼んだが,筆者はMinor Tremor(MT)と呼ぶことを提唱している。この報告においてはMTを指標として,精神薬物に対する生体の反応をみてゆくことにする。特に精神薬物によつておこる<静穏化>と<精神賦活>という二つの現象を中心として述べまたMTが精神生理過程の鋭敏な指標として役立つものであることをもつけ加えて述べた。尚MTに関して,特に興味をもたれる方は拙著2)を参照されたい。
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