研究と報告
固有感覚障害患者のリハビリテーションにおける一工夫
荻島 秀男
1
,
川崎 洋海
2
,
門田 司郎
2
,
石田 卓司
2
1三愛会伊藤病院リハビリテーション部
2三愛会伊藤病院
pp.615-617
発行日 1971年12月9日
Published Date 1971/12/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100538
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はじめに
固有感覚の低下は,リハビリテーションのプロセスにおいていろいろな問題を投げかけるが,その個々の問題について,どうすればよいのかという説明は,あまりなされていない.
Proprioception(固有感覚)ということばをはじめて使ったのは,Sherrington1)であり,その前はBastian2)らが,muscle-tendon-joint-sensibilityなどのことばを使っていた記録が残っている.ある時代には,ProprioceptionよりもKinesthesia(動きの感覚)ということばのほうが使用されたこともある.最近はPT・OTもほとんどProprioceptionということばで統一されているが,ProPrioceptionということばにはself-knowledge(位置的な自己の認識)というニュアンスも含まれている.
Proprloceptionに関与している器官は,muscle (muscle spindle),tendon(主としてGolgi organ),jointおよび神経の末梢であるが,これらがグループとして筋の3つの状態,①active contraction,②passive stretch (length of fiber),および③tensionを知るのに常に働いている.
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