Japanese
English
特集 失調症
<症例報告>
固有感覚障害性失調症における歩行訓練の経験
Gait Training of the Ataxic Patient with Impaired Proprioception.
松瀬 裕江
1
,
才藤 栄一
1
,
尾河 昌子
1
,
木村 彰男
1
,
蜂須賀 研二
1
,
椿原 彰夫
1
,
田中 耕二
1
,
溝口 美樹
1
,
千野 直一
2
Hiroe Matsuse
1
,
Eiichi Saitoh
1
,
Masako Ogawa
1
,
Akio Kimura
1
,
Kenji Hachisuka
1
,
Akio Tsubahara
1
,
Kouji Tanaka
1
,
Miki Mizoguchi
1
,
Naoichi Chino
2
1慶応義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
2慶応義塾大学医学部リハビリテーション科
1Keio University, Tsukigase Rehabilitation Center.
2Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine.
キーワード:
固有感覚障害
,
失調症
,
歩行訓練
Keyword:
固有感覚障害
,
失調症
,
歩行訓練
pp.695-698
発行日 1986年9月10日
Published Date 1986/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105664
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はじめに
運動失調は,小脳障害あるいは小脳以外の固有感覚障害,前庭迷路障害により生じる.この内,固有感覚障害性失調症は,古くは脊髄癆によるものが多く,その訓練法としてFrenkel体操(1902)4)が良く知られている.しかし,近年の脊髄癆の減少により,その後の訓練法の発展は乏しい.一方,運動学習についての最近の研究はめざましく2,9),特にfeedback,feed-forward制御等1)が知られるようになり,小脳の役割,固有感覚の役割8)についても議論が深まっており,訓練法に関しても再考する必要があると言えよう.今回,我々は,重度の固有感覚障害性失調と呈した多発性根神経炎の一症例を経験し,その訓練法を工夫し良好な結果を得ることができたので,具体的方法を報告すると共に,その代償機能,学習効果にも若干の考察を加える.
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