発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006128135
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肩関節に外傷の既往がない健常男性7例(平均29.8歳,24~40歳)を対象に独自に考案した肩関節における固有感覚機能を評価する実験システムの妥当性を検証した.更に外傷性肩関節不安定症患者10例(平均23.4歳,14~34歳)を対象にこの表面筋電図を応用したシステムを用いて固有感覚機能の評価を行った.正常例では両側大胸筋,棘下筋とも潜時の計測値に再現性を認め,患者群では10例中8例に平均潜時が遅延している傾向を認めた.しかし,平均潜時と脱臼回数に明らかな相関はなく,平均潜時と初回脱臼からの期間も相関はなかった.平均潜時とBankart lesionの鏡視所見では,関節包-靱帯構造の破綻と潜時の間に関連性を認め,健側と患側で有意差を認めた.即ち,反復性肩関節脱臼患者の肩関節では固有感覚反射が遅延している傾向を認め,Bankart lesionが高度な場合には固有感覚機能の障害と強く相関することが示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2006