増刊号 採血のすべて—手技から採血室の運用まで徹底解説
Ⅴ 採血室の運営と工夫
採血での患者固有情報の有用性
盛田 和治
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.330-334
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207929
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はじめに
多くの施設で外来採血室の運営は検査部(科)の重要な仕事の1つになっていると思われる.しかも,その円滑な運営は患者に対する医療サービスの向上のみならず,診療や外来迅速検体検査加算取得の点から病院経営などに対しても重要である.また,患者アメニティー(快適さ)の改善や患者満足度向上の点からも重要である.
現在,中・大規模病院では診察前検査は普通になっており,医師が的確な診察ができるよう円滑な採血および迅速な検査結果報告が求められることが多い.採血待ち時間を短縮することも重要であるが,同時に採血を安心,安全かつ的確に実施することも必要である.そのためにはいくつかの条件があるが,その1つに採血を実施するうえで必要な情報である患者固有情報がある.実際の活用例をもとにその有用性を解説する.
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