研究と報告
脳性マヒ児用フィーダーについての2,3の経験
宮本 雅子
1
,
幸野 律子
1
,
稲留 節子
1
1足立学園
pp.203-206
発行日 1971年6月9日
Published Date 1971/6/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100436
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はじめに
CP児の食事訓練の必要なことは,論をまたないが,その訓練は特に程度の強いアテトーゼ型では,はなはだ困難である.
そのため,上肢の不随意運動や協調不全などをコントロールする,なんらかのディバイス(Devices)が必要であることが多い.この面に関してはOTの分野で種々の研究,実用面への適用がなされてきており,把持を容易にするためのスプーン改良品,食器の固定具や,テーブルの改良品が,実用に供されていることは,ご承知のとおりである.
だが,CP児に食事動作を自立させてゆく過程は,ご経験のあるかたなら,ご承知のように,はなはだ困難をきわめるもので,簡単なディバイスのみでは,いかにも不満足である.もし,肩,肘,手関節などの不随意運動を制限し,有用な運動を引き出すようなものがあれば,CP児の食事訓練は更にスムーズにいくのではないか.
そのような考えのなかで,この数年来,私たちは,これらの患児を対象とするフィーダー(Feeder)について,少しずつ経験を積み重ねてきた.今回は,そこで既製のフィーダーについての使用経験,および当学園での2-3の試作,使用経験などをまとめ,私たちのCP児フィーダーについての若干の考え方を述べてみたい.
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