ホスピタルトピックス 特殊病院
脳性マヒの療育施設
柳瀬 正之
1
1厚生省児童家庭局
pp.93-94
発行日 1965年7月1日
Published Date 1965/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202628
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昭和27年の実態調査によれば,児童人口の0.67%が肢体不自由児であり,その15%が脳性マヒであった。この児童1,000人のうち1人が脳性マヒであるという発生頻度は,その後の調査でも,その原因の周産期における未熟,仮死,黄疽などによる脳傷害があまり解決されていないからには,それほど変わっていないといえる。それどころか,全国62か所の肢体不自由児施設に入所している患児の占める割合からみると,昭和35年は30%,39年は37%であり45年は半数を占めると予想される。
脳性マヒは,リハビリテーションのもっとも困難な対象であり,四肢体幹の機能障害のみならず,言語障害を有するもの80%,知能障害は50%,そして約30%にテンカン発作をみ,視聴覚その他の感覚に障害を伴う場合が少なくないのであるが,リハビリテーションでの拡大とともに,今までリハビリが不可能とされて重症心身障害児施設の対象とされていたものが,障体不自由児施設重度病棟の対象となりつつある。
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