Japanese
English
特集 脳卒中
脳卒中のADL
ADL in hemiplegia
田川 義勝
1
Yoshikatsu TAGAWA
1
1九州リハビリテーション大学校
pp.228,247-251
発行日 1970年8月9日
Published Date 1970/8/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100344
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ADL(日常生活動作)は日常の生活における最も基本的な動作であり,生活に欠くことのできない動作であり,すべての人が共通に行なっている動作でもある.
この基本的な動作を確立させてこそ,その人の職業的な動作,特別な動作が可能となるものである.したがってADLの確立ということは非常に有意義なもので,リハビリテーション過程の総合されたものといっても過言ではないであろう.たとえ患者に完全なリハビリテーションが期待できない場合でも,身の回りの動作が可能となれば,他の周辺の人々,特に家族などの負担を軽くしてやることができるものであり,そこにも立派なリハビリテーションの意義が認められるのである.
一時的にしろ永久的にしろ重度の身体的な障害をもち,退院しても松葉杖を離せない,車椅子にたよらなければならない,また運動の制限制約が課せられた場合などは,特にその患者における条件下でのADLの確立の必要性が大となってくるのである.
これらの患者に限らず,ほとんどの患者に対して,種々の身体的運動機能検査のほかに,ADLの評価,ADLの訓練,また実際の患者に適した指示,提案などのADLに関する諸アプローチがリハビリテーションプログラムのうえに不可欠なものとなってくる.もちろん基礎的な医学的管理も忘れてはならない.つまりリハビリテーションのチーム・ワークによりこの個別的な患者のニードに応じたADLの確立を目標として働きかけることがたいせつである.
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