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IV.固有受容性神経筋促通法(P.N.F.)
固有受容性神経筋促通法(Proprioceptive neuromuscular facilitation,P.N.F.)はHerman Kabat(医師)とMargaret Knott(P.T.)によって創始されたファシリテーション・テクニックであって,同名の書によってわが国でも広く知られており,欧米でもファシリテーション・テクニックの中では最もよく普及しているもののようである.この技法の基本的な部分は米国カリフォルニア州VallejoのKabat-Kaiser Institute(現在のKaiser Foundation Rehabilitation Center)で1946-51の5年間に形成されたもので,その成果がProprioceptive Neuromuscular Facilitation(第1版)1)として1956年にM. KnottとD.E. Vossの手で詳細な図入りで出版された.技法の発展は,その後も続き,第1版発行後の12年間の成果をまとめた第2版2)が昨年出版されたが,これには第1版とくらべて大幅な増補があり,‘全身的パターンのファシリテーション’の章では,床上動作,歩行,移乗,動作などのADL的な諸動作の全体としてのファシリテーションが詳しく扱われ,また‘生活機能等の刺激’の章では,呼吸,口の開閉,嚥下,顔面運動などのファシリテーションが扱われている.この他,Kabat自身の書いたまとめがLichtの‘運動療法’の1章をなしており3),また,VossがNUSTEPの研修会で行なった講義とデモンストレーションも簡潔に要点をついたよい紹介となっている4).“P.N.F.”の第2版は現在わが国で翻訳・出版の準備がすすめられていると聞いている.
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