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講座
ファシリテーション・テクニック(その5)
Facilitation Techniques (Part 5)
上田 敏
1
,
寺山 久美子
2
Satoshi UEDA
1
,
Kumiko TERAYAMA
2
1東大病院リハビリテーションセンター
2東京都立心身障害者福祉センター
pp.17-20
発行日 1968年12月9日
Published Date 1968/12/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100158
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Ⅱ Bobathの体系(つづき)
2.成人片麻痺の治療テクニック(つづき)
【坐位】
(1)スツールもしくは背のまっすぐな椅子を使って行なう。患側の股・膝は少なくとも90°またはそれ以下に曲げておく。足は背屈し床上におく。患側下肢は外転しやすいので注意。股をじゅうぶん曲げ背中をまっすぐに伸ばす。体重はじゅうぶん患側の腰にかかるように注意する。足の母指球に圧力がかかって,ともすると底屈位をとりやすいが,これは足指を背屈させることによりなおる。踵をじゅうぶん床につけるようにする(膝を上から押さえつけるとよい)。足指の掌面を早く小さく摩擦(stroke)するという感覚刺激を与えると足指の背屈は促進される。
(2)(1)の姿勢で両下肢の交互運動を行なわせる。(理学療法士が介助)。自分でできるようになるまで練習する。これは伸筋痙性なしに足を下ろし歩くというために役立つ。この時患側上肢は伸ばして支えに使う(図21)。これは屈筋痙性(Flexor spasticity)を防ぐのに良いばかりでなく転倒防止にもなる。ちなみに屈筋痙性を防ぐ最善の方法は上肢を体の斜め後ろに伸ばして外旋位でおくことである。
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