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特集 歩行
進行性筋ジストロフィー症の歩行
Gait Progressive Muscular Dystrophy
野島 元雄
1
Motoo NOJIMA
1
1徳島大学整形外科
pp.24-31
発行日 1968年10月9日
Published Date 1968/10/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100148
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はじめに
本症の患者がいわゆる動揺性歩行を呈することはよく知られ,その発現により本症の存在に気づかれることが多い。もっとも,この動揺性歩行の発現は,病型(本症はその発病の型式――遺伝性,発病の時期,罹患筋――などに関し,諸家により種々の病型に分類されるが,著者は広く採用されるWaltonの分類にしたがう)により差異を認めるが,病勢の進展の最も迅速ないわゆるDuchenne型では,初勢症候として現われる。しかし,顔面肩甲型(Facioscapulo-humeral型)では,顔面筋の萎縮による変化,上肢の機能障害についで現われることが多い。
この際,注意すべきことは,図1のように,その姿勢が著明な腰椎前彎,尖足位にて,しかも脚が内旋して歩行することである。
このような姿勢の異常について,筋動力学的観点よりその成立機序を明らかにしたいと思う。このことは本症のリハビリテーション実施にあたり十分理解しておくべき重要な問題と考える。
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