目でみる耳鼻咽喉科
慢性鼓膜炎の視診
星野 知之
1
,
有村 恵一
1
,
石田 正人
1
,
鈴木 一元
1
1浜松医科大学耳鼻咽喉科
pp.540-541
発行日 1984年8月20日
Published Date 1984/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209808
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慢性鼓膜炎の診断は視診が第一である。軽症例では,鼓膜表面についた薄い痂皮(図1-A,2-A)を見落さず,これをとりて酸をつけるとびらんがはっきりする(図1-B,2-B)。鼓膜から外耳道にかけてある線状の痂皮(図3)の先端部には,必ずびらんがある。急性増悪例では外耳道に膿性耳漏があって中耳炎に似るが,多くは鼓膜穿孔がはっきりせず,びらんや肉芽が入られ,鼓膜はよく動く。鼓膜穿孔があっても,鼓膜表面のしめった感じをみたら,酸をつけると鼓膜炎が乱確かめられる(図4)。ときにひだの形成など鼓膜の変形がみられることがある(図5-A,B)。滲出性中耳炎で鼓膜切開のあと発症するこもあるので注意する(図6)。
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