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I.緒言
喉頭は,前頸部にあり周囲が軟骨に囲まれ弾性に富んでいるので損傷は起こりにくい。しかし,強い外力が加わり外傷がひどい時は,これらの軟骨の骨折,離断はもちろんのこと,喉頭腔内の浮腫,続いて不良肉芽増生が起こり,呼吸困難に至ることがある。すなわち,喉頭外傷後の瘢痕や肉芽のため気道狭窄が起こることがあり,種々の治療によっても再々狭窄を生じ,喉頭を扱う耳鼻科医にとっては悩まされるところである。このような疾患に対して種々の治療方法が工夫されているが,いずれも似かよった手技でその効果も症例によっていろいろであり,確定したものがないのが現状である。
我々は,子供の喉頭外傷の1症例を経験し,保存的療法で経過をみていたところ,次第に呼吸困難をきたしたため,再々にわたる喉頭微細術を施行し治癒せしめた。手術時,約10×20mm大のシリコン板を声門内に留置固定する独自の方法を行い,若干の文献的考察を加えたので報告する。
A 9-year-old boy developed dyspnea shortly after he was contused at his arterior neck, and received emergency tracheotomy.
Frequent operations to remove scar tissue had been performed by laryngomicrosurgery. At the same time, a silicone plate was inserted and placed to prevent growth of granulation tissue.
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