鏡下咡語
「耳へん」
野原 政雄
1
1NHK
pp.614-615
発行日 1983年8月20日
Published Date 1983/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209649
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O先生とは20年来のおつきあいです。O生は耳鼻科のお医者様ですが,患者に沢山お薬を出さない先生として有名です。また,"百薬の長"という薬を召し上がらない先生としても有名です。私は,そんな先生に"百薬の長"という薬を,なんとか投与してみたい(?)と,かなり前から,その機会をねらっていました。それは,O先生の健康のためでもあるからです。ただ,この薬は健康保険がききません。100パーセント自己負担というのが玉にキズです。しかし気分の勝れない時には,へたな医者へ行くよりもこの薬ですと治りが早いということもあって,私は,時々その"百薬の長"を置いてある治療所へ出かけます。O先生は忙しい方なのでなかなか機会がありません。ご本人がおっしゃるには,
「大学を定年でやめたら,少しは暇になるよ」
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